ハイカム(ハイリフト・カムシャフト)への交換は、エンジンの性格をガラリと変える「中枢のチューニング」です。
カムシャフトの役割を、人間の「呼吸」に例えて分かりやすく解説したいと思います。
1. カムシャフトの役割:エンジンの「呼吸の監督者」
エンジンは「吸気・圧縮・燃焼・排気」という4つのサイクルを繰り返していますが、カムシャフトはこのうち**「吸気(息を吸う)」と「排気(息を吐く)」のタイミングと量をコントロールする**役割を担っています。
具体的には、回転しながら「バルブ」という蓋を押し下げて、空気の通り道を作ります。
-
リフト量: 蓋をどれだけ深く開けるか(吸い込める空気の量)
-
作用角(デュレーション): 蓋をどれだけ長い時間開けているか(吸い込める時間)
2. 「ハイカム」に交換するとどうなるのか?
ハイカムとは、この「リフト量」が大きく、「作用角」が広く設計されたカムのことです。
変化:高回転で「一気にパワーが出る」ようになる
通常のカムが「ストローで静かに呼吸している」状態だとしたら、ハイカムは**「口を大きく開けて、全力で深呼吸している」**状態です。
-
高回転域: 回転が速くなると、一瞬で大量の空気を吸い込む必要があります。ハイカムは口を大きく長く開けるので、高回転でも空気が不足せず、爆発的なパワー(馬力)を生み出します。
-
フィーリング: エンジンが上までストレスなく「クーン!」と回るようになり、最高速や加速の伸びが劇的に向上します。例えるならVTECのような感じ!?
3. ハイカム交換の「メリット」と「デメリット」
いいことばかりに見えますが、実は**「トレードオフ(何かを得れば何かを失う)」**の関係があります。
4. カブのボアアップとハイカムの相性
特に75ccにボアアップしたカブにとって、ハイカムは「必須」と言っても過言ではありません。ボアアップは排気量が大きくなりエンジンのトルクが増える、ハイカムはエンジンの回転数が大きくなり、最高速度が伸びるイメージでしょうか。
-
理由: 排気量が増えた分、エンジンはもっとたくさんの空気を欲しがります。ノーマルのカムのままだと、肺活量は増えたのに「鼻呼吸(ノーマルカム)」しかできないような状態で、高回転で苦しくなってしまいます。
-
結果: ハイカムを入れることで、増えた排気量をフルに活かした「力強い走り」ができるようになります。
結論
ハイカムへの交換は、「低回転の扱いやすさを少し削って、高回転の伸びと楽しさを手に入れる」ためのカスタムです。
特にボアアップ車の場合、ノーマルでは味わえない「どこまでも回るような感覚」が手に入るので、バイクを操る楽しさが倍増すると思います。
もし時間とお金に余裕があるのであれば、ボアアップ・ハイカムと一つずつカスタムしていくのもカスタムの面白さかもしれませんね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
タペット調整についてはこちらの記事を

