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AIを利用した医療倫理の比較#GhatGPT・Gemini

私は医療関係の仕事をしていて、現在倫理について勉強しています。

臨床倫理倫とは、「倫理的課題を認識・分析し、関係者の価値観に留意しながら、患者にとっての最善の利益になる方法を模索していくこと」と一般的にいわれています。

また倫理的課題とは、「治療を受ける患者、患者の関係者、医療スタッフ間において、それぞれの価値観や価値判断の違いから⽣じる課題」といわれています。

倫理問題について整理する上で、一般的に使われるツールとしてケースアプローチとしての4分割法が使われることが多いです。

今回ケースアプローチの4分割法をベースに「ChatGTP」と「Gemini」を使用した倫理観の比較をしてみたので報告します。

状況としては、90代女性で誤嚥性肺炎で入院された患者。ADLは全介助。認知症あり。食事の認識もできているか不明であり、過去に誤嚥を繰り返している。今後口からの食事摂取は困難であり、家族は胃瘻造設を強く希望している。しかし、ADLは全介助であるため自宅で看ることはできないとのこと。

まずは「ChatGPT」の回答

このご相談に対しては非常に繊細な倫理的判断が求められます。まず前提として、高齢認知症患者に対する医療的判断においては、**「患者本人の最善の利益(Best Interest)」**を最優先にすることが、医学・倫理の基本原則です。


◆ 倫理的な検討ポイント

1. 患者本人の意思決定能力の欠如

患者が自ら意思を表明できない場合、「代行意思決定(Substituted Judgment)」または「最善の利益」に基づいて判断を行う必要があります。今回のケースでは、過去に胃婁などの延命措置に対する本人の意向が記録されていない限り、「最善の利益」の原則に従うことになります。

2. 栄養補給の手段としての胃婁の是非

  • 胃婁造設の医学的根拠として、認知症末期においては経管栄養(特にPEG=経皮内視鏡的胃瘻)は延命効果が明確でない誤嚥性肺炎を完全に防げないQOL(生活の質)を必ずしも向上させないという研究が多数存在します(日本老年医学会など)。

  • したがって、単に「生き長らえさせる」目的での胃婁は、倫理的に正当化しにくいという指摘があります。

3. 家族の意向とケアの責任

家族が「長生きしてほしい」と望むのは自然な感情ですが、その一方で介護の責任を負わない前提で延命のみを希望することは、患者本人の生活の質や尊厳を犠牲にする可能性があります。患者の最善の利益に反する可能性が高いため、医学的にも倫理的にも慎重な判断が求められます。

4. 施設への退院の現実性

多くの介護施設では、胃婁を造設した入所者を受け入れる体制や人員に限界があり、逆に受け入れ困難になる場合もあります。その結果、患者本人が望まない医療処置を受けたうえに、適切な環境にも入れないという、多重の不利益を被る可能性があります。


◆ 結論

家族が自宅介護を希望せず、患者本人の意思が確認できない状況下で、単に「長生きしてもらいたい」理由だけで胃婁を造設することは、医学的根拠にも倫理的配慮にも欠けると考えられます。医療チームは、患者の尊厳とQOLを守るために何が最も適切かを再検討し、家族にもその説明責任を果たす必要があります。

 

次に「Gemini]の回答

ご質問ありがとうございます。高齢の認知症患者さんで経口摂取が困難、ご家族は延命のために胃瘻増設を希望しているものの、在宅介護は希望せず施設への入所を希望されている状況なのですね。患者ご本人の意思が確認できないという背景も踏まえて、ご家族の希望による胃瘻造設の倫理的側面について、根拠を示しながら丁寧にご説明させていただきます。

この状況における倫理的な検討の中心となるのは、以下の原則です。

  1. 患者の自律尊重原則(Respect for Autonomy): これは、患者さん自身が自己決定する権利を尊重するという原則です。もし患者さんに判断能力があれば、胃瘻造設を含む治療方針について、ご自身の意思を表明することが最も重要視されます。しかし、認知症が進行し、意思決定能力が失われている場合、この原則を直接的に適用することは困難になります。

  2. 患者の利益原則(Beneficence): これは、患者さんにとって最善の利益となるように行動するという原則です。胃瘻造設が患者さんの栄養状態を改善し、肺炎などの合併症を予防し、結果としてQOL(生活の質)の維持や改善に繋がる可能性があるという点で、利益となる側面があります。

  3. 無危害原則(Non-maleficence): これは、患者さんに害を与えないようにするという原則です。胃瘻造設は外科的な処置であり、感染、出血、誤嚥などのリスクを伴います。また、胃瘻を造設したとしても、それが必ずしも患者さんの苦痛を軽減するとは限りません。むしろ、身体拘束につながったり、患者さんにとって不快なものとなる可能性も考慮する必要があります。

  4. 正義原則(Justice): これは、医療資源の公平な分配や、患者さんに対する公平な取り扱いを求める原則です。ご家族の希望のみに基づいて胃瘻を造設することが、他の患者さんの医療資源の利用機会を不当に奪うことになるかどうかという観点も考慮に入れる必要があります。

これらの原則を踏まえて、今回のケースを検討する上で特に重要な点は以下の通りです。

  • 患者本人の意思の推定: 患者さんの過去の言動、価値観、人生観などから、もし判断能力があったならどのような選択をしたであろうかを可能な限り推定する努力が必要です。ご家族や親しい知人からの情報、過去の医療に関する意向などが参考になる場合があります。

  • 延命の質: 単に生命を長らえることが、必ずしも患者さんにとっての最善の利益とは限りません。認知症が進行した状態で、意思疎通も困難となり、活動も制限された状態での延命が、患者さんにとってどのような意味を持つのかを慎重に検討する必要があります。

  • ご家族の意向: ご家族が延命を強く希望される背景には、様々な感情や理由があると考えられます。しかし、ご家族の希望が必ずしも患者さんの最善の利益と一致するとは限りません。特に、在宅介護を希望せず施設への入所を前提としている場合、胃瘻造設が主に延命のためだけに行われ、患者さんのQOL向上に繋がらない可能性も考慮する必要があります。

  • 代替的なケア: 経口摂取が困難な場合でも、胃瘻以外の栄養補給方法や、症状緩和のためのケア(口腔ケア、少量頻回食、水分補給の工夫など)も検討されるべきです。

倫理的に難しい判断となるのは、患者さんご本人の意思が不明であり、ご家族の希望と患者さんの潜在的な利益が必ずしも一致しない可能性がある点です。

結論として、自宅介護の意向がないご家族の希望のみに基づいて、患者さん本人の意思が確認できない状況で胃瘻を造設することは、慎重な検討が必要です。

以下の点を考慮し、多職種(医師、看護師、ケアマネージャー、ソーシャルワーカー、倫理委員会など)で十分に話し合い、患者さんにとって最も適切なケア方針を決定することが重要です。

  • 患者さんの病状の進行度合いと予後
  • 胃瘻造設による患者さんの身体的・精神的な負担と利益
  • 胃瘻造設以外の代替的なケア方法の可能性
  • ご家族の意向の背景にある理由
  • 患者さんの過去の意思表示や価値観の推定
  • 施設入所後のケア体制

安易な延命治療が、かえって患者さんの苦痛を長引かせることになる可能性も念頭に置く必要があります。患者さんにとって何が「最善の利益」となるのかを、多角的に検討することが倫理的に重要です。

もし可能であれば、病院の倫理委員会に相談し、専門的な意見を聞くことも有益でしょう。患者さん、ご家族、そして医療従事者にとって、納得のいく সিদ্ধান্তを見出すことが大切です。

 

2つの回答を比較してみて、どんな印象でしょうか?

ChatGPTが「患者の尊厳」と「生活の質」に重点を置いており、Geminiは「患者の利益」に重点を置いて論じたように思います。またChatGPTは回答が医学的根拠が簡潔にまとめられており、一方Geminiは4原則をベースに丁寧な回答だと思いました。感情的にChatGPTに比べてGeminiの方が共感しやすいような回答かな?なんて感じました。

どちらの回答が正解ということはなく、どちらも参考になる回答でした。

個人的にはオープンAIが利用できるようになって、ここまで便利に使えるようになったんだと感じました。

学生の論文作成にも使用されているようですが、今後はこうしたツールをいかに使うかという部分が重要になってきていると思いました。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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