コンビニで資本論に関する簡単で面白そうな本があったので、空いた時間で読んでいます。
きちんと1冊の本を読み切ることができないことも多いのですが、頑張って読み切りたいと思います。
本自体は全体的に超訳ということで、字数も少なく絵や図で分かりやすいです。
しかし、時代背景も違うせいか「労働と余剰価値」の概念について理解ができません。
資本家は労働者の給料(コスト)を低く抑えて、多くの価値を生み出す商品を生産することを望んでいることは分かりますが、私達が貰っている給料は労働に対する対価なののでしょうか?
疑問だったので調べてみました。
カール・マルクスの『資本論』における「労働の価値」は、一般的な意味と異なる哲学的・経済的な意味を持っているようです。
■ 労働の価値?それとも労働力の価値?
まず区別が必要です:
用語 | 意味 |
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労働力の価値 | 労働する能力そのものが持つ「商品としての価値」。賃金の正体。 |
労働の価値 | ※実はマルクスはこの表現をあまり使わず、労働そのものに「価値がある」とは言わない |
マルクスが中心的に語るのは「労働力の価値」です。
「労働そのもの」が価値を持つのではなく、**労働こそが「価値を生み出す源泉」**である、というのが資本論の根幹です。
■ 労働が価値を生む仕組み
マルクスは「商品には価値がある」とし、その価値はそれを作るのに必要な労働時間で決まるとしました。これを「労働価値説」と言います。
例)あるTシャツの価値
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布地を切る:30分
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縫製する:1時間
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検品・梱包:30分
→ 合計:2時間の労働が必要
この「2時間分の社会的に必要な労働時間」が、そのTシャツの価値になるのです。
■ 資本主義における労働の位置づけ
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労働は「価値を生み出す源」=価値の源泉
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でも、労働者はその価値の全てを受け取らず、**労働力の価値(=賃金)**しかもらえない
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残りの価値(剰余価値)は、資本家の利益になる
この構造をマルクスは「搾取」と呼びました。
■ 労働力とその価値の重要性
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「労働」=価値を生み出す活動(抽象的)
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「労働力」=労働する能力(具体的な商品)
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「労働の価値」=生活費、教育、再生産に必要な費用
つまり、マルクスにとっては「労働力の価値」が資本主義の中で「賃金」という形で評価されるものであり、労働者にとっての経済的現実となるのです。
■ まとめ
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労働そのものに「値段」はつかない(労働は価値を作る側だから)
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労働力が「商品」として市場で売買される
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その労働力の価値が、賃金として支払われる
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残りの労働の成果は、資本家が取っていく=搾取
自分なりに解釈すると、マルクスの考えに立つならば、労働者は「労働の価値」に対する賃金が支払われるべきであって、「労働力の価値」分しか賃金が支払われてなく、その差額(余剰価値)は資本家の利益となっており、労働者は搾取されている ということだと理解しました。
大変難しいですね。
労働そのものがもっと評価されてもいいと思いますが、多分昔からこういった仕組みで時代が流れてきたんだと思います。正当に評価された人は幸せだったと思うし、大部分の人がこうしたことにも気付かずに過ごしたのかもしれません。
最後までお読み頂きありがとうございました。